(と)の道楽日記 (Ver. 2)

 (と)が相変わらず、適当なことを書いています。

コロナ下の授業(ゼミ編)

先日の講義編の続き。

 

 

今回は講義以外の、ゼミの実施方法について、まとめていきます。

今期のわたくしは、1回生のゼミと3・4回生のゼミ*1の担当がありました。で、ゼミでオンデマンド形式は、(できないわけではないでしょうが)今一つ効果的ではないような気がしたので、授業本来の時間にリアルタイムで実施することにしました。

 

リアルタイムで実施するためには、いくつかの障壁(?)があるように思いました。まず第一に、どのアプリケーションを使うか。うちの学校は最初はZoomをサポートしない、といっていた*2のですが、途中で方針が変わってZoomが許容されたので、授業ではZoomを使用しました。

もう一つ、学生さんがリアルタイム授業に対応しているのか(あるいは、対応できるのか)、ということですが、こちらは事前にLMSでアンケートをして、学生さんの状況を調査しておきました。

結果、Zoomでできそうだと判断できた*3ので、Zoomで実施することにしました。

(1) 3・4回生ゼミ

まずは3・4回生ゼミから。こちらは例年、最初の1〜2回はわたくしが(授業の前提となる)ガイダンスや講義をして、それ以降は学生が個別の報告をして質疑応答、という形態で実施しています。

なので、最初の講義部分は他の講義と同様、動画をYouTubeにアップして視聴してもらう、というオンデマンド形式で実施しました。レジュメの作り方などを動画にしたので、例年だと授業の時1回かぎりの話が、今年度は好きな時に何度でも見られる、というのが意外とよかったようで、視聴回数が、わたくしの想定よりも多かったです(´∀`)。

学生の個別報告は、特に問題なし。報告レジュメは前日までにLMSにアップしてもらって、それを見ながら報告を聞き、質疑応答をおこないました。学生からの質問は、報告を聞きながらチャットに書いてもらうようにしたので、その日に出た質問をLMSに後からアップしました。これもZoomの効用ですね。

 

3・4回生ゼミでZoom利用をしていて、特にいいなと思ったのは個人面談。3・4回生、特に4回生は卒論に向けての準備もあるので、毎年適宜個人面談を実施します。で、これまでは学生に学校にきてもらって、そしてわたくしも学校に行って面談をしていたわけですが、Zoomだと学生もわたくしも学校に行くことなく、そして日時もけっこう自由度がきくので、むしろ面談実施のハードルが下がりました。

また、Zoomだと画面共有機能がありますが、iPad版だとホワイトボードを共有し、そこにApple Pencilで書き込んだ内容を学生に示せるのが、非常に面談には効果的でしたヽ( ・∀・)ノ。Zoomで個人面談、コロナ禍が過ぎ去っても続ける可能性大です。

(2) 1回生ゼミ

次に、1回生ゼミ。こちらも最初の1〜2回がオンデマンド講義だったのは同様。

一方、Zoomでのリアルタイム授業は、3・4回生ゼミとは違ってちょっと工夫が必要でした。問題はふたつ。第一に、1回生ゼミは例年5〜6人でのグループを作って、報告をしてもらっていたのですが、グループ報告をどうやってやるのか?という点。そして第二に、1回生は大学に入学と同時にこんなことになってしまったので、お互いのことを知らず、仲良くなる機会もなかなかない、という点です。

 

そんなわけで1回生ゼミでは毎回、最初にわたくしが何かプレゼンして(画面共有でスライドを見せる)、それを踏まえた課題を1回の授業につき2つくらい出し、その課題について5〜6人のグループで話しあって各グループの意見を報告してもらうことにしました。この時、Zoomのブレイクアウトルーム機能でグループを簡単に作ることができるのが非常に効果的で、課題を出すごとにグループ分けをし直すことができるのもありがたかったです。

また、各グループで話しあう時間を長めにとりました。これは、新入生同士でいろいろ話をして仲良くなる機会を作るということで(授業中の雑談を許容しているという点で本当はよくないのでしょうが、今年度は学生同士で話をする場を作るのも非常に重要だと思います)、学生にも「課題への意見がまとまったら後は何を話してもいい」と伝え、わたくしもブレイクアウトルームへは立ち入らず*4

 

で、何回かこういう授業をした後、最後に満を持して(?)*5、班を作って(ブレイクアウトルームを固定して)グループ報告を各班1回づつやってもらいました。

報告をしてもらう前の週はブレイクアウトルームで相談をしてもらう時間にしました*6。この時はわたくしも各グループのブレイクアウトルームを見に行きましたが、画面共有機能を使って資料を見せて話し合いをしていたりしていて、結構みんな上手にZoomを使っていました(・∀・)。

そして本番の報告では、どの班もきれいなスライドやレジュメを作ってプレゼンしていました*7。そして3・4回生ゼミと同じく、レジュメは前日までにLMSにアップしてもらい、そして質問をチャットに書いてもらって、あとからLMSで共有しました。

 

1回生ゼミは、例年とは少しやり方を変えないといけませんでしたが、それはそれで楽しく、また新しい授業のネタ(?)を見つけた、という気もするので、収穫は大きかったですヽ( ・∀・)ノ。

まとめ

そんなわけで、ゼミはZoom利用でも実施でき、工夫のしどころやZoomならではの利点があることもわかりました。でもゼミは特に、メンバーに実際に会って話をしてみたい、という気持ちにさせられますね(´・_・`)。

とはいえ今後のゼミは、今期のようなZoomを使用した授業・面談と、対面での授業の両方を(その特性を生かして)併用していく、というのがむしろ好ましいのではないか、という気もします。 (と)

*1:と、大学院のゼミ。こちらはわたくし一人で実施する授業ではないし、院生だけで受講生も少ないので、ここでは詳細は省略。

*2:Skype for Businessが推奨されていた。今でも会議などでは使っています。

*3:Wi-Fiなどのネットワーク環境は全体的に大丈夫そうでしたが、授業を受講できるスペースを確保できるかどうか(他に誰かがいる場所で受講しなければならない可能性)の方がハードルだったようです。

*4:まぁ、その間わたくしもお茶を飲んだりする時間ができたわけですが(笑)。

*5:LMSで事前にアンケートをして、グループ報告についてどう思うか聞きましたが、「やりたい」と「どちらでもよい」が大半でした。

*6:その他、LMSに各グループがデータの共有などをおこなう場所を設定。

*7:毎年、新入生のスライドを作る技術がうまくなっていく気がするのは、気のせいでしょうか?